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  • 執筆者の写真イーモック

関西学院大学・文学部紹介アニメーション動画の製作過程解説


関西学院大学の文学部紹介を目的としたプロジェクトに取り掛かって9ヶ月。

その中で制作したアニメーション動画の1本が公開されましたので、以下に、動画の制作目的、工程、役割など、動画マーケティングの観点から解説したいと思います。


【プロジェクトの概要】

高校3年生の受験生をターゲットにしており、学問領域の多様性と深さを理解してもらうことを目的としています。

関西学院大学文学部の魅力と教員たちの研究を高校生に親しみやすい形で紹介するために、11本のアニメーション動画シリーズを制作することになりました。



【動画シリーズの構成】

このシリーズでは、文学部の11人の教員それぞれの専門分野を個別に紹介します。ドイツ文学、日本文学、フランス文学など、多岐にわたる言語や文化の研究をより身近に楽しく知れるように意識しました。



【制作プロセスとアニメーションの制作】

アニメーション制作は、全国の個性豊かなアニメーターさんたちに依頼しました。

各アニメーターさんは、教員の研究テーマやストーリーラインに基づいて選定し、その研究内容や教員の個性を反映した独創的な作風でアニメーションを制作。これにより、各動画は異なるテイストを持ち、独自の視覚的スタイルと内容で、視聴者に強い印象を残すことができたかと思います。



【制作工程】

まず文学部11人の先生たちの研究内容を深く理解することから始めました。

先生たちと綿密な打ち合わせを重ねた上で、その研究内容を高校生に理解しやすい形にするために、どう台本に落とし込むか、より身近な事柄と結びつけるためにどんなショートストーリーにすべきか、構成を練るのに、かなりの時間を要してしまいました。


しかし、先生たちの奥深い研究内容をお聞きする時間は、とても貴重で、またそれをどんな物語にすればいいかと考えることは、とても楽しかったです。

映像制作の過程において、台本制作は、空想の世界にどっぷりハマれる、ディレクター冥利に尽きる楽しい工程の1つです。



今回は、11本製作した中から、ドイツ文学を教える先生の研究内容を紹介する動画について解説します。


こちらは、ドイツ文学を専攻する教授に焦点を当てたアニメーションです。

ヴァルター・ベンヤミンの「複製芸術論」について研究するをテーマに、現代のデジタル時代の芸術鑑賞の価値とその変容を探る内容の台本を作成しました。


【アニメーションのストーリー構成】

カップルがモナ・リザの展覧会への訪問について話し合っているシーンからスタートします。彼女は美術館で実際に作品を見る体験の価値を強調し、それによって作品の本質的な美しさや影響を完全に理解できると主張します。一方、彼氏はインターネットでいつでもアクセスできるモナ・リザの画像で十分だと反論し、物理的な場所への訪問は必要ないと言います。

このシーンは、ヴァルター・ベンヤミンが指摘した「オーラの喪失」という概念に直接触れていて、複製技術の進化により、芸術作品はその独自性を失い、どこでもアクセス可能なオブジェクトに変わるとベンヤミンは論じたことをベースにストーリーを考えました。


ベンヤミンとモナ・リザに関係はありませんが、モナ:リザを選んだのは、世界的に有名で、ほとんどの高校生が認識している美術作品だからです。その普遍的な認知度を利用することで、複雑な哲学的議論をより身近で理解しやすいものにしたいという意図があります。



動画の目的と効果】

構成を考える上で気をつけたことは、単に芸術作品の複製に関する議論を描くだけではなく、現代のデジタル時代の高校生たちが直面する芸術の消費方法について深く考えれるような内容にしたいということです。

インターネットが普及することで、いつでもどこでも情報にアクセスできる現代において、実際に足を運んで芸術作品を鑑賞する価値がどのように変わるのか、という問いかけをすることで高校生にも

身近なコトとして捉えてもらえるのではと考えました。


視聴者の興味を引き、ビデオをスキップされることなく最後まで見てもらうための戦略的として、アニメーションという形式を通じて、難しい概念を若い高校生にも楽しく、かつ教育的に伝えることができるのではないかと思います。



【動画の拡散】

動画の予告編をInstagramのリールやYouTubeショートで配信することで、ターゲット層である高校生に効果的にリーチし、動画視聴へと誘導するように考えました。


アニメーション動画の気になる部分だけを切りとり、Youtubeへ誘導してもらえるような内容に

短く編集することが重要です。


動画マーケティングにおいて、この手法は、非常に基本的で効果的なアプローチです。

ショート動画を利用することで、視聴者の注意を素早く引き、彼らを公式のYouTubeチャンネルへ誘導することを狙います。

ただ、スキップされないために、どの部分を切り取って、的確に伝えるかということが難しい部分でありました。


【まとめ】

このアニメーション動画制作の目的は、高校生が文学部の多様な学問領域に興味を持つキッカケを作ることにあります。アニメーション動画を通じて、高校生たちの学問に対する興味を深め、関西学院大学文学部への理解と関心を高められることができないと意味がありません。


残り10本のアニメーション動画の公開でも気を引き締め、改善できるポイントを常に考えながら、今プロジェクトを最後まで進めたいと思います。










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