自治体プロポーザルに、テレビマンが挑む理由
- イーモック

- 5 時間前
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〜「視聴者ファースト」を曲げない、私たちの哲学〜
2026年度、株式会社イーモックは、現時点で、4つの自治体プロポーザル案件の仕事をしています。
● 奈良県 の自治体(継続案件・2年目)
● 兵庫県 の自治体(継続案件・2年目)
● 大阪府 の自治体(新規案件)
● 京都府 の自治体(新規案件)
継続2件、新規2件。昨年から続くお取引に加え、関西2府でも新たにご縁をいただきました。

「動画制作会社は山ほどある中で、なぜイーモックが選ばれたのか?」
正直なところ、選定理由は自治体ごとに違います。ただ、プロポーザル資料の作り方や提案の組み立て方には、私たちが必ず守っている"ひとつの哲学"があります。
今回のブログでは、その哲学を、企業のマーケ・広報ご担当者の方にも参考になる形でお話しします。
「自治体案件の話なんて、ウチには関係ない」──そう思った方こそ、ぜひ最後まで読んでみてください。
この考え方は、必ず企業マーケティング動画にも応用できます。
自治体動画には、宿命的な"ジレンマ"がある
最初に、正直なところからお話しさせてください。
自治体動画の制作には、ある宿命的なジレンマがあります。それは──
「自治体が伝えたいこと」と「視聴者が見たい動画」の間には、どうしても微妙な、ときには大きな差がある。

これは、ある意味で仕方のないことなのです。
自治体は公共機関ですから、一般企業以上に多方面への配慮が求められます。
公平性を欠く表現はできない
特定の層だけを狙った演出は避けたい
炎上リスクは絶対に回避したい
万人に開かれた、誤解を生まない伝え方が必要
これらは「公共のお金で作る」以上、当然のことです。私たちも自治体との仕事では、そのあたりをきちんとわきまえてご提案しています。奇をてらいすぎた企画を持ち込むことはありません。派手すぎる演出で、後からクレームを呼ぶような提案も、しません。
ただ──。
「わきまえる」と「丸める」は、まったく別物だと考えています。
それでも譲らない、たったひとつのこと
ここからが、私たちイーモックの"哲学"の話です。
私たちには、どんな案件でも、絶対に譲りたくないことが、ひとつだけあります。
それは─
「視聴者ファーストでありたい」
ということ。
テレビ番組を30年近く制作してきた私たちにとって、これは"信念"というより、もはや身体に染み付いた習性です。
バラエティであれ、ドキュメンタリーであれ、報道であれ、通販番組であれ──番組制作の現場では、毎日のように、こう問われ続けてきました。
「この企画、視聴者は本当に見たいと思う?」「途中でチャンネル変えたくならない?」「この5秒で、引き込めてる?」
その問いを30年積み重ねてきた人間が、自治体だから・公共だからという理由で、いきなり"視聴者を後回しにした動画"を作れるはずがないのです。
動画は、目的を達成するための"ツール"でしかない
ここで、私たちの根本的な考え方をお話しします。
テレビでも、自治体でも、企業でも──動画制作には、必ず"目的"があります。
自治体なら → 啓発、地域PR、住民への情報伝達
企業なら → 認知拡大、リード獲得、採用、ブランディング
テレビなら → 視聴率、スポンサー獲得、社会的影響
つまり、動画は目的を達成するためのツールであって、目的そのものではない、ということです。
そして、ここからが大切です。
ツールである以上、まず「使ってもらえなければ」意味がありません。
動画にとっての"使われる"とは──
✅ スマホをスクロールする指を、ふと止めさせること
✅ 最後まで再生してもらうこと
✅ できれば、誰かに教えたくなること
✅ そして、行動につなげてもらうこと
ここまでがセットで、ようやく動画は「目的達成のツール」として機能します。
見てもらえない動画は、存在していないのと同じ。
これは、テレビの世界でも、ネット動画の世界でも、変わらない真理です。
"普通"では、もう、誰の目にも止まらない
ご存知の通り、いまネット上には想像を絶する量の動画が溢れています。
YouTubeには毎分500時間以上の動画がアップロードされ続け、TikTokやリール、ショート動画も含めれば、ユーザーは1日に何百本もの動画を浴び続けています。
そんな環境の中で──「普通」に作った動画は、「普通」に埋もれます。
これは断言できます。無難に整えただけの動画は、もはや誰の目にも止まりません。
だからこそ、テレビの世界と同じく、ネット動画にも"仕掛け"が必要なのです。
最初の3秒で目を奪う"つかみ"
続きが気になる"フリ"と"オチ"
退屈させない"テンポ"と"展開"
思わず人に話したくなる"おもろさ"
これらは、テレビ番組制作で30年間磨いてきた私たちの本職スキルそのものです。
でも、自治体には自治体のルールがある
ここで、また難しい話に戻ります。
企業案件やテレビ番組ではOKでも、自治体ではNGになる企画は、たくさんあります。
演出パターン | 企業・TV | 自治体 |
過激なコント | ◎ | △ |
強い煽り表現 | ◎ | × |
特定層への振り切ったターゲティング | ◎ | × |
ブラックユーモア | ◎ | × |
クスッと笑えるネタ | ◎ | △〜○ |
しっかり構成されたストーリー | ◎ | ◎ |
このフィルターを通すと、ほとんどの企画は形を変えざるをえません。
ここで多くの制作会社が選ぶのが──「無難に丸める」という安全策です。
確かに、無難な動画なら自治体内でハンコは押されやすい。炎上もしない。クレームも来にくい。
でも、それでは結果として、「誰の心も動かない動画」が出来上がってしまいます。
公共のお金を使って、誰の心も動かさない動画を作ること。それは本当に、自治体にとっても、地域住民にとっても、良い仕事と言えるでしょうか?
私たちは、そうは思いません。
私たちが投げるのは、"絶妙なコントロールの変化球"
そこで、私たちが心がけているのは──

ストレート(無難な真ん中)じゃ、視聴者の心は動かない。カーブを曲げすぎたら、自治体のOKが出ない。
でも、外角低めの絶妙なスライダーなら──"おっ"と思って見てもらえて、しかも自治体的にも問題ない。これを、毎回、毎案件、本気で考え抜くのが私たちの仕事です。
私たちのプロポーザル提案プロセス
STEP 1仕様書を"行間まで"読み込む
募集要項に書かれていることだけでなく、「自治体が本当に解決したい課題」を読み取ります。表面的な要望ではなく、その奥にある真の目的を探ります。
STEP 2視聴者の心理を、徹底的に想像する
誰に届けたい動画なのか? その人は、いまどんな気持ちで毎日を過ごしているのか? どんな言葉なら響くのか? ペルソナを具体的に設定します。
STEP 3ストライクゾーンを見極める
「どこまでなら自治体的にOKか」の境界線を、これまでの経験から判定します。ここの感覚が、テレビ番組制作で鍛えられた部分です。
STEP 4変化球の球種を選ぶ
バラエティ風? ドキュメンタリー風? ニュース風? 通販番組風? ──過去の番組制作経験から、最適な"見せ方"を引き出します。
STEP 5絶妙なコースに投げ込む
他社では考えないような、少し変化球でありながら、曲がりすぎていない──そんな絶妙なコントロールの一球を、プロポーザルとして提出します。
30年のテレビ番組制作で培った"引き出し"の多さが武器
この"変化球の精度"を支えているのが、30年間のテレビ番組制作で培ってきた、膨大な"企画の引き出し"です。

私たちはこれまで、ありとあらゆるジャンルのテレビ番組を制作してきました。
🎯 バラエティ番組 ── 笑いと驚きで心を掴む構成術
🎯 ドキュメンタリー番組 ── 深い共感を呼ぶ物語の組み立て方
🎯 報道・情報番組 ── 正確さと分かりやすさの両立
🎯 通販番組 ── 視聴者を購買行動へ導く構成の力
🎯 紀行・グルメ番組 ── 地域の魅力を魅力的に切り取る視点
🎯 教育・啓発番組 ── 飽きさせずに伝える工夫の集積
それぞれのジャンルで、「視聴者を惹きつけるためのノウハウ」が、引き出しの中にぎっしり詰まっています。
そして、プロポーザル提案では、これらの引き出しから自治体が求めるものに合わせて最適な組み合わせを選び出します。
実際にあった、引き出し活用の例
大阪市 の感染症拡大防止啓発動画 → M-1チャンピオン・ミルクボーイの漫才仕立てで堅い啓発内容を楽しく伝達
大阪府下消防長会 の火災警報器啓発動画 → 同じくミルクボーイの漫才形式で、「思わず最後まで見てしまう」啓発動画に
関西消費者協会 の消費者トラブル啓発動画 → 見取り図やアインシュタインのコント仕立てで、難しい消費者問題をエンタメ化
宝塚市立病院 人工関節センターの紹介動画 → テレビ報道の手法×AI演出で、専門医療を分かりやすく安心感のある内容に
これらの企画は、テレビ番組制作のノウハウがなければ、絶対に生まれなかった発想です。「啓発動画は堅くて当然」「医療動画は真面目に作るもの」──そんな"思い込み"を、私たちは構成の力で破ってきました。
自治体で磨いた感覚は、企業マーケティングでも必ず活きる
「自治体プロポーザルの話、なんとなく分かったけど、ウチは一般企業だから関係ないかも?」──そう思われた方、もう少しだけお付き合いください。
実は、自治体案件で磨いた感覚は、企業マーケティング動画でも、確実に活きてきます。
なぜか?
それは──"制約のなかでクリエイティブを最大化する力"こそ、現代の動画マーケティングで最も求められる力だからです。
考えてみてください。どんな業界にも、何かしらの"制約"はあります。
💊 法規制が厳しい医薬品・医療業界
🏦 ブランドイメージを崩せない金融・大手企業
🏢 BtoBで「真面目」が求められる業界
👶 子ども向け商材で配慮が必要な業界
🏭 製造業や技術系で表現が地味になりがちな業界
こうした制約のなかで、「いかに視聴者の心を動かすか」──私たちはそれを、自治体プロポーザルで毎日のように鍛え続けています。
つまり、自治体で「ギリギリOKの変化球」を投げ続けている私たちは、企業マーケでも「制約と効果の絶妙なバランス」を取れるということです。
「ウチは堅い業界だから、面白い動画なんて無理だよね」──
そう思っているなら、それは、もったいない。
制約があるからこそ、知恵が試される。そして、制約を超えた瞬間に、視聴者の心は、ぐっと動くのです。
まとめ:私たちが大切にしている、たったひとつのこと
最後に、もう一度だけ。私たちイーモックが大切にしていることを、一言でまとめます。
「視聴者ファースト」
これだけは、絶対に譲りません。
クライアントが自治体であっても、企業であっても、テレビ局であっても、動画を見るのは、いつだって"視聴者"です。
視聴者の心が動かなければ、どんなに立派に見える動画も、ただの自己満足で終わってしまいます。そんな動画に、価値はありません。
だから私たちは、テレビ番組制作30年の経験と最新の生成AI技術を全力で活用して、毎回、本気で"おもろい"を仕込みます。
ちょっと笑える。ちょっと驚ける。ちょっと感動する。そんな"おもろさのスパイス"が一振りされた動画こそ、視聴者の記憶に残るのです。



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